学校長あいさつ

 篠山鳳鳴同窓会のみなさまには、本校の教育活動の推進にご理解とご協力を賜り深く感謝申し上げます。
 篠山鳳鳴高等学校長2年目を迎えました樋口一哉です。青山忠誠(ただしげ)公の志のもと、篠山中年学舎が設けられた明治9年から今年で147年目となります。常に伝統と改革を意識しながら務めてまいります。
 さて先日、4年ぶりに全国高等学校長会が東京・埼玉方面で開催され、出席をしてきました。文部科学省からの行政説明や全国各地区の新しい取組みをされている学校の発表などがあり、校長会の総会も同時に行われるものです。今回の関東方面への出張は、私には他に2つの目的がありました。一つは、「尚志館」に訪問すること。もう一つは、秋田県立大館鳳鳴高等学校の校長先生にお出会いすることでした。尚志館は、ご存じのように旧篠山藩主直系青山忠誠公が東京赤坂の私邸にて、丹波篠山の子弟を1875年に招致したのが始まりです。2016年に新築されており、近代的な4階建ての建物でした。共同生活を通じて様々な個性を持つ仲間と向き合うことで人間性の成長と幅広い価値観を身につけられ、東京という大都会で頑張ろうとする丹波篠山の子どもにとって非常にありがたい施設であると感じました。また、校長会が始まる前に大館鳳鳴高校の渡邉校長先生と約束をし、初めて対面でお話をさせていただきました。秋田県と兵庫県ですから、頻繁に交流をすることは限られてしまいますが、今後の両校の発展のために継続的に情報交換や生徒会、野球部の交流を約束しました。
 このような中、3月末に新聞等でも発表されましたが、普通科コース(総合科学コース)の改編が求められる中、本校は令和6年度より「STEAM探究科」という普通科単位制へ改編することに決まりました。これは、兵庫県が独自に設置する学科で、県内に4校設置されます。最先端科学技術分野における民間企業等とのコンソーシアムを構築し、STEAMに関する知識・技能を活用しながら、新たな課題を発見する探究活動を展開していきます。Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics の頭文字からなるこの学科は、グローバル化の進展やSociety 5.0 の到来等、変化の激しいこれからの時代に対応できる新たな価値を創造する人材を育成することにつながると期待されています。
 「いにしえの 先ゆく人の 跡見れば 踏みゆく道は 紅に染む」明治末期から昭和初期にかけて活躍した教育者、新渡戸稲造の言葉です。いつの時代においても、どのような組織においても、先人の苦労というものは想像以上に大きいものです。その先人たちの苦労の上に今回の高校改革はあると感じています。そして、本校のような伝統校だからこそ同窓生の協力が何よりも心強いです。新しい時代に向けて、生徒たちの高校生活が有意義なものとなりますよう、教育活動に取り組んでいきます。
 篠山鳳鳴同窓会のみなさまにおかれましても、今後とも本校教育へのご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。