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洒脱な偉人・鳳鳴人(ひと)

 先生とお目通りが叶ったのは1997年6月23日。同窓で9回卒業の河村一夫氏(故人)の案内で、犬山市山寺の先生のご自宅を訪ね、著書「少年動物誌」の映画化権の依頼した時だ。河村氏から「道が分からなくなったら、お猿の河合先生のお宅と言えばタクシーが連れて行ってくれるから」と教わり、この道案内を何度も使わせて頂いた。通りから少し入ったところに瀟洒なお住まいがあり、家の前の畑は先生の菜園と聞いた。後に篠山へ帰られて、野菜を栽培されたのも犬山での心得があってのことと思う。ただ「玉葱を植えたんだけど僕のはラッキョウの親方みたいな玉葱!・・・クックク」と笑われた顔が今も思い浮かぶ。
 映画のタイトルを相談する機会があり「『森の学校』を提案すると、『森が学校』がええ!」との返事。語呂が悪いので『森の学校』でお願いしますと一応の了解を得たが、後日「ささやまの森公園」を伺うと和室(茶室)に『森が学校』と先生直筆の軸が・・・。
 
 映画公開後、この作品が国際交流基金の支援事業で、12か国語の字幕を載せて世界展開することとなった。ただ『森の学校』の『森』の概念は地域によって随分と違っている。熱帯雨林と砂漠地帯では日本人の考える森では通用しない。そこで漢字圏以外の国々では『MASAO』で公開することになった。『「まさお」かァ!(ニッと笑って)「まさお」は日本で一番多い名前だからね』と快諾頂いた。この時もやんちゃなマト少年の顔を垣間見た気がした。
 先生の名著を映画化するという向こう見ずな企画であったが、この企画のお陰で原作「少年動物誌」の本質に、そしてご夫妻の瑞々しい人間愛に触れることが叶いました。
 「先生ご苦労様です。ほんまに有難うございました」映画の台詞で感謝申し上げます。 合掌(京都・あらし山)

※今年の8月20日、21日、田園交響ホールで「森の学校」 を上映。主催丹波篠山観光協会。尚、全国での公開は「映画森の学校」のHPで随時更新中です。

西垣吉春(高17回)